伊勢神宮とは

「お伊勢さん」や「大神宮さん」として呼ばれ古くから日本人の心の源として親しまれて来た。

伊勢神宮は正式には「神宮」と呼ばれている。

伊勢の神宮は内宮と外宮の両正宮を中心に十四の別宮、一〇九の摂社、末社、所管社で成り立っている。
内宮は皇大神宮(こうたいじんぐう)とも呼ばれ皇室の御祖神であり約二千年前の垂仁天皇二十六年に建立された。

伊勢神宮に祀られる主祭神天照大神(あまてらすおおみかみ)で、女性の太陽神。
外宮は豊受大神宮(とようけたいじんぐう)とも呼ばれ、食事を司り、衣食住さらに全ての産業を守る神様として、千五百年前の雄略天皇二十二年に建立された。

古くは「日本書紀」や「万葉集」などで詠われているように伊勢の地は神話の時より気候風土に恵まれ、大自然に育まれた、まさに日本人の心のふるさと「美しき国・伊勢」がここにある。

神宮式年遷宮とは

二十年に一度の伊勢神宮の大祭である式年遷宮は持統天皇(六九〇年)の第一回から、千三百年に渡り神宮最大の神事として続けられ平成二十五年(二〇一三年)に第六十二回の式年遷宮が執り行われる。

二十年に一度、伊勢の神宮独特の建築方式「唯一神明造(ゆいいつしんめいつくり)」と呼ばれる建築様式の御正殿(ごしょうでん)をはじめ神宮全ての神殿を新しく造り替え、さらに殿内の御装束(おんしょうぞく)や御神宝(ごしんぽう)を新しく作り替える。そして神儀(御神体)を、新宮を建てる神宮へ遷す神々の引っ越しである。

伊勢の神宮は、この式年遷宮により古代様式を保ちながらも、常に新しい神殿が現存する。千三百年前から不変のこの神殿は、ギリシアの神殿、ピラミッドや万里の長城など、一度の建立で永遠を求めた石造りが今日まで原形を保てなかったのとは違い、石よりも朽ちるのが早い木で造られている神宮の神殿は、二十年に一度全く同じものを新しく作り替えるという事で永遠を語りつごうとしている。

また、新宮の造営と平行して、御装束、御神宝もまた古例に従って調製される。御装束とは、正殿の円外を奉飾する御飾の総称で、その数五百二十五種千八十五点。
これに対し御神宝とは調度の品々で百八十九種四百九十一点数えられる。御造営とともに式年遷宮に欠く事の出来ない大事業である。
そこには古代様式を常に新しくという、世界的に見ても類の無いこの継続の歴史は、伝統文化や工芸の優れた技術を守り伝えるという重要な意味もあるが、常々美しくありたいと願う日本人の心のあらわれである。